学びのある本でしたのでアウトプットしていきます。
世界のエリートがアートを学び始めている
世界のエリートが今芸術系の大学院にて美術を学んでいるらしいのです。
例えば、自動車のフォード社、クレジットカードのビザ社などの有名企業が将来の幹部候補が芸術大学院の企業向けプログラムに参加しているというのです。
また、ニューヨークの美術館でやっているギャラリーの客層が今までは観光客や学生がほとんどだったが、現在はビジネスマンも多くなってきているという。
最近のビジネスマンは美術を学んでいると言います。
美意識ってなんのことを言っているの?
本書で美意識は「数字で判断ができない」ことを判断する力のことを言っています。
例えば、あるAという製品の売り上げを上げようとします。
このとき考えることとしては、製品をよくするために改善できる部分を分析したり
他の製品との価格を調査して高すぎたり、安すぎたりしていないかを調べたりと根拠のある数字を持ってきて解決しようとすると思います。
ですがそういう数字とかではなくて
なんかこのA製品をこっちの形にしたほうがカッコよくね?だからこの形にしようよ!根拠はないけれどさ!
みたいなことを感じ取って判断する力のことを美意識と言っています。(すごく大雑把に言っています)
いや、かっこよくね?みたいなこと言ったら子どもの意見みたいでビジネスの場では通用しないんじゃない?
と思われる方もいると思いますが、実際その通りです。
本書で語られていることですが、経営には3つの要素があります。
- アート・・・ワクワクさせるようなビジョンを生み出す
- サイエンス・・・数字をもとにアートをより現実的なものにしていく
- クラフト・・・経験や知識をもとにアートを実行していく
経営には3つのバランスが大切と言われているのですが、日本企業はサイエンスとクラフトが強すぎるのではないか?というのが著者の指摘です。
確かに上記の例で挙げたように「こっちの形にしたほうがかっこよくね?」みたいなことを言っている人がいたら何言っているんだろう?根拠あるのかな?って思ってしまいますよね。
でも経営は3つのバランスが大切だからもっとアート的な思考も経営に入れて言った方がいいと言っています。
なんで美意識を鍛えているのか?
じゃあなんでエリートの方々が美意識を鍛えるかというと・・・
みんなと同じ答えを求めても勝てなくなったから
数字を分析して出た結論ってみんな同じような答えになります。
例えばAという製品があったとき、売り上げなどの数字を用いて分析すればある程度ダメな部分がわかります。
そのダメな部分を改善しようとすれば数字上は「いい製品」になったということになります。
でも数字で改善する以上、他の同じような製品も同様に数字で対応してくるので他の人と同じような製品が出来上がるというわけです。
そうなると競合との差別化が難しくなってきます。
となるとどうするかというと美意識によるで差別化です。
「なんかこの製品ってこの形のがいいんじゃね?」という美意識は数字化できないわけです。
となるとその人の感性次第になるので、勝手に競合とは差別化できるという考えなわけです。
なので美意識を鍛えているわけです。
ものがたくさんあるので、いい機能のものより、意味のあるものを欲しがるようになった
自動車を例にみてみましょう。
昔の馬が移動手段とされていた時代であれば、車は馬よりも早く移動する手段として重宝されたわけです。
なのでその時代であれば、車の機能(早く走れる)という部分に魅力があったため機能を重視して購入がされました。
ですが今日の社会で車の機能的な価値よりも意味的な価値が高まっています。
機能的な価値だけで選ぶならば、ベンツやフェラーリを買う人はいないでしょう。
そういったファッション感覚での購買意欲が高まっているためアートを学んで美意識を高めているというわけです。
時代の変化が早すぎる時代であるから
最後はちょっと切り口が異なります。
現在はAIや仮想通貨などインターネットの普及によりかなり時代の変化が激しくなっています。
なのでそれに伴い法律も変えて行くべきなのでですが、早すぎるため法律の整備も追いついていません。
そうなるとこの法律って今は制定されていないけれどどうなんだろ?みたいなグレーゾーンが出てくるわけです。
そんな時にこの美意識が活躍するわけです。
グレーゾーンが出てきた時に
「今は法律が制定されていないからちょっとグレーっぽいけどやっちゃえ!」となるのか?
「自分の美意識と向き合って判断するのか」の2パターンの対応が迫られるわけです。
この後者の考え方を筆者は推奨しています。
上記のグレーっぽいけれどやってしまえ!という考え方は後々違法となっているケースがあるようです。
多くの企業経営者は、デザイナーやクリエイターに相談をしている
経営者の相談相手といえばコンサルタントが一番はじめに思いつきます。
ですが最近ではデザイナーやクリエイターの方々に相談することが増えているようです。
理由としては上で述べてきたようなことが重視されているからです。
ではビジネスとデザインの共通点とはなんでしょうか?
それは「エッセンスをすくって、あとは切り捨てる」ということです。
重要な部分だけを使ってあとは全部捨てちゃうということです。
エッセンスをすくって視覚的に表現をすればデザインになり
エッセンスをすくって文章にすればコピーになり、それは経営やビジョンになるということです。
なので表現方法が違うだけで思考過程は一緒だから相談するということです。
サイエンスが強くなると、コンプライアンス違反の確率が高くなる
自分的になるほどと思った点はここです。
日本企業は今サイエンスとクラフトが重視されており、アートが軽視されているという話がありました。
ではこのままだとどうなるかというとコンプライアンス違反をする企業が増えてくると筆者は予想されています。
なぜかというと、サイエンスに頼る=数字の上での判断ということになり、行き着くところどの企業も同じように似たようなビジネスモデルになって行きます。
となると競合との差別化をすることが難しくなります。
そうなると競合より価格を下げて、量をたくさんやるしか差別化して売り上げをあげることができなくなります。
つまり現場の社員への荷重は多くなり、違法残業や休日出勤を強いる企業が増えてくる。
さらには不正に手を染めて行く企業が増えると筆者は言っております。
なのでサイエンスが強くなる=コンプライアンス違反の可能性が高くなるというわけです。
美意識をどうやって鍛えるか?
それでは美意識はどうやって鍛えるのがいいのでしょうか?
美術館で絵を見る
美術館での絵の見方に関しましては下記の通りです。
- 何が書かれているか?
- 絵の中で何が起きていてこれから何が起こるのか?
- どんな感情や感覚が自分の中に生まれているか?
これらを言葉に出していうことで見る力を鍛えることができます。
下記の本もオススメです。
哲学を学ぶ
ぴよぴーよ速報さんの哲学の動画がかなりわかりやすいです。
文学や詩を読む
文学や詩はこれまで通ってきてこなかったので、美意識を高めるという点においても読もうと思いました。
これからの目標
- 近くの美術館に行って絵を鑑賞する
- 自分のビジョンを明確にする(全ての人が自分の心に素直に起きることができる社会を作る)
- 文学作品にも触れる