最近哲学書を2冊読んだので、アウトプットしてきます。
2冊に共通して学んだこと
- 哲学者からのアウトプットの学び
- 哲学者がアウトプットを出すまでのプロセスからの学び
アウトプットからの学びというのは哲学者が導き出した答えそのものに価値があり、そのまま現代に活かせる学びのことです。
アウトプットを出すまでのプロセスからの学びというのは、その通りに答えを出すまでにその哲学者がどうやって考えてきたかを学ぶことを言います。
哲学はアウトプットからの学びよりもプロセスからの学びが大切です。
デカルトという哲学者が「我思う、ゆえに我あり」という言葉を残していますが、この言葉の意味は「私が私の存在を疑うことはできない」という意味です。
デカルトが残したこのアウトプットは今の私たちに意味があるでしょうか?
そりゃそうでしょ!ってなりませんか?
それよりもなんでデカルトがこの答えにたどり着いたのか?の方が100倍大切なのです。
デカルトはこの世で誰も疑えないものを探していました。
例えばりんごがあったとしても、
「本当は誰かがやっているゲームの世界を見せつけれているだけで実際にはないのでは?」と考えたりと全部を疑って生きていた。
そんな感じで全部を疑って、疑って疑いきった後に残ったのが「我思う、ゆえに我あり」という結論だったのです。
この、何にでも疑いを持つデカルトの姿勢からは現代人の私たちも学びがあります。
常識だと思ってやっているけどやっていることやよくわからないけどやっていることはありませんか?
そんなものを一回疑ってみることで新しい発見があるかもしれません。
これからは私がこの2冊を通じで学びが大きかった哲学者を紹介してきます。
ニーチェ 超人思想
ニーチェはドイツの哲学者です。
超人思想とは、人間そのものが持つ向上心みたいなものです。
超人と聞くとスーパーマンみたいなイメージを持つかもしれませんがそうではありません。
「強くなりたいという意志をしっかりと自覚し、それから目を背けないこと」
を超人と言います。
例えば、
- 世界最高にお金持ちになりたい
- 体を鍛えて世界大会に出たい
- ゲームで世界一になりたい
みたいに、心に湧き上がる「強くなりたい」に従って生きることを言う。
逆にニーチェは、「ただ、健康とより良き眠りを求め、平和に人生が終わることを願ってなんとなく生きる人」のことを
末人(まつじん)と呼んでいます。
現代の私たちってこの末人に当たる人が多くないでしょうか?
私が自己理解コーチになった理由も、超人、つまり心に湧き上がる欲望に従って生きる人を増やしたいと思ったからです。
やっぱり目の前のことに対して心から楽しんで夢中になる人を増やしたいなと改めて感じました。
イソップ寓話のキツネとブドウの話のように高いところにあるブドウが取れないからとどうせ酸っぱいブドウだったんだ!
言ってかんたんに諦めるのではなく、下手くそでもいいので取ろうとする人でありたいと思いました。
ミハイ•チクセントミハイ フロー概念
スポーツ選手がよく「フロー状態に入っている」と言っているのを聞いたことありませんか?
集中しまくっていて目の前のことに夢中になっていて雑念がない状態みたいなことですね。
私はこのフローに入ることが人生を幸せに生きることにつながるのではないか?と感じました。
未来のことでも、過去のことでもなく、今に集中していて夢中になっている状態が続いたら良くないですか?
ではどうやったらフローに入ることができるのか?
私のツイートを貼り付けます。図を見てください。
右の上のフロー状態は夢中で目の前の事に集中している状態。ゲームでいう自分と相手のレベルがいい感じで頑張ればクリアできそうな感じ。慣れてきて自分が相手より強すぎると退屈になる。そういうときは不安を感じるような敵に挑戦していき、レベルを上げるしかない。仕事を夢中になるのも同じ理屈。 pic.twitter.com/WIMxMPeoLp
— NAOYA 自己理解コーチ予定 (@Naoya5520708) September 6, 2023
だいたいの大人の方は無気力の場所にいると言います。
無気力からフロー状態に行くには、スキルレベルも挑戦レベルも上げないといけません。
でも一気にどっちも上げることはできません。
まず挑戦レベルを上げてからそれに伴ってスキルレベルが上がっていきます。
ポケモンで言うと、まずいろんなジムリーダーに挑戦していく中でポケモンのレベルも上がるイメージですね。
マサラタウンでポケモンを育てるのにも限界があります。
となると不安や強い不安を感じることがなければ、フロー状態にはたどり着けないと言うことです。
つまり今人生で、無気力で退屈な人は「不安」を感じるようになれば人生がフロー状態に入っていくと言うことです。
なのでやったことないことにチャレンジしたり、住む場所、働く場所、付き合う人などを変えて不安を感じていくことで
人生に夢中になっていくのではないか?と感じました。
私もこのフロー概念を受けて「不安=悪いもの」ではなく、むしろ人生を好転させてくれるいいものとして
受け止められるようになりました。
ジル•ドゥーズ パラノとスキゾ
- パラノ=パラノイア=偏執型=一貫性のある人格•人生を好む
- スキゾ=スキゾフレニア=分裂型=美意識や直感で行動して過去の行動や発言は関係ない=一貫性がない
パラノ型は変化に弱いです。
転職するならば今の仕事を生かした仕事にしたいな〜とか
この資格取ったからその資格を活かせる仕事に就こうとか
こういった過去に固執して一貫した人生を生きるのは危ないと言っています。
なので一貫性なんて気にせずに、美意識と直感で行動しましょうよ!と言っているわけです。
日本ではパラノ型の人が多いと思います。
逃げる勇気を持ってスキゾ型マインドで暮らそうと思いました。
無知の知 ソクラテス
知らないということを知っていることを無知の知と言います。
世の中知らないことだらけだな〜って思っていた方がなんでも知っている!って人よりも好奇心が湧くので
知的に怠けないって言っているわけです。
私が勉強になった部分はここではなく「わかる」についての部分です。
わかるってなんでしょうか?どういうことでしょうか?
英文学者の渡部昇一は「ゾクゾクするほどわからなければわかっていない」と言います。
歴史学者の阿部謹也は「わかると言うことはそれによって自分が変わること」と言います。
人の話を聞いてなるほどね!わかった!って思う時ってこんな気持ちになりますでしょうか?
もうちょっとわかるについては慎重になった方が良さそうです。
私はすぐわかった気になってしまいます。。。
人の話を聞くときは「メンタルモデル」と言うフィルターを通して話を聞いているようです。
このフィルターによって話が自分が理解できる形にねじ曲げられ、受け取られます。
なのでどうしても相手の話を100で聞くと言うのは難しいと言うことを知っておいた方がいいと思いました。
よく聞く「要するに〇〇でしょ?」と言うのは相手の話をメンタルモデルというフィルターにかけて
自分の中で理解できる感じでねじ曲げて出た答えということになります。
コーチングを仕事にする身としてはかなり気をつけたい部分ではあります。
クライアントが話していることに「要するにそれって〇〇ことかな」思ったときは100で話を聞けていないなって思うようにします。
具体的にやっていく行動としては
- クライアントの感情をクライアントが日常的に使っているであろう言葉を使って会話する
- メンタルモデルで話を聞かないように、メモをとって客観的に話を見れるようにする。
これらを実践していこうと思いました。
フランシス•ベーコン イドラ
イドラとは、偶像という意味です。
わかりやすく言えば、誤解や偏見によって人間が正しく理解ができないことをいいます。
アイドルの語源はこのイドラであるようで、みんなの理想みたいなニュアンスから来ているのではと思います。
ベーコンさんはイドラ(誤解や偏見)には4つあると指摘しています。
①種族のイドラ
単純に錯覚のことです。トリックアートみたいなことです。確かに錯覚によって人間は物事を正確に理解することができなくなります。
②洞窟のイドラ
個人的な経験によって生じるイドラです。例えば、近所の小学生がたまたま騒がしくて迷惑を受けたことがあった時に、あたかもすべての小学生がそのような騒がしくする人って思い込んでしまうようなことです。
③市場のイドラ
これは噂や風評被害などが当たります。確かな証拠もないのにその発言や噂を信じてしまって真実だと惑わされることを言います。
④劇場のイドラ
これは権威ある人の話を鵜呑みにしてしまう人のことを言います。今で言うインフルエンサーの人をことは絶対正しいと思ってしまうことのことです。
人間はこの4つのイドラを取り除くことで初めてきちんと理解したと言えると思います。
自分の人生を軸を持って生きるためにもこのことを知っておくことは大切だと考えました。
フッサール エポケー
現代は先を予想するのが難しい時代と言われています。
こんな時代であるからこそ、正しく判断していくことが難しくなってきています。
こんな時にフッサールさんはわかったつもりにならないで判断を保留することをエポケーと名付けています。
古代ギリシャ語で停止、中止みたいな意味です。
あまりにも明らかなものと思えることも、人によっては明らかではない場合があると指摘しています。
幻覚や幻聴の症状を持つ方々に「それは幻覚ですよ」と伝えてもなかなか受け入れてもらえないと言います。
なぜなら、見えているものを疑うことはかなり難しいからです。
ではこのエポケーは私たちの生活にどう生きるのか?
それは他者を理解するときに有効になるということです。
自分が信じているものが絶対だ!という世界観を持っていると他人の意見が聞けなくなります。
なので判断を保留してとりあえずおいておくという考え方はいいなと感じました。
今後の行動目標
- 自分の心に従って欲望のままに生きる
- 不安はフロー状態に入れる前に通るものなので、不安をいいものとして受け入れる
- 相手の話を「要するに〇〇?」とは聞かずにメモをとって聞く
- イドラ=錯覚や偏見などを4つのイドラを疑う
- 客観的な事実だと思うものを一旦保留して、わきにおいておく